HERITAGE COLUMN

セーラー万年筆の歴史と万年筆の特徴

THE HISTORY OF SAILOR

1911年創業。呉の町工場から世界へ届けた、日本最古の万年筆メーカーの一つ。

万年筆を売る店として、セーラー万年筆という名前を「日本最古の万年筆メーカーです」の一言で終わらせてしまうのは、あまりにも惜しいと感じています。この会社の背骨には、一人の青年が英国土産の万年筆に受けた「言葉で言い表せないほどのときめき」、軍港都市・呉から世界へ船出したいという願い、そして戦後の焼け跡から万年筆づくりを立て直した職人たちの手仕事があります。今回は、そうしたセーラーという会社の輪郭を、できるだけ具体的な事実に基づいて掘り下げてご紹介します。

セーラーとは

セーラー万年筆は、1911年(明治44年)に広島県呉市で創業した、日本で最も古い歴史を持つ万年筆メーカーの一つです。正式名称はセーラー万年筆株式会社で、英文表記は The Sailor Pen Co., Ltd. といいます。万年筆を出発点とし、現在はボールペンやシャープペンシル、筆ペン、ボトルインクなど幅広い筆記具を手がける総合文具メーカーへと成長しましたが、その中心には常に「ペン先」があります。セーラーは、金ペン先を自社で一貫して製造できる、数少ない万年筆メーカーの一つとして知られており、独自の研ぎの技術によって生み出されるペン先の種類の多さは、他メーカーと比較しても際立った特徴です。

創業から百年以上を経た2021年には、本店を東京から創業の地である広島県呉市の広島工場へと移転しました。企業規模が拡大し本社機能が都市部に集中していく中で、あえて「ものづくりの原点に立ち返る」ことを選んだ判断は、セーラーという会社が何を大切にしてきたかを象徴する出来事だといえます。

メーカー名セーラー万年筆株式会社
英語表記The Sailor Pen Co., Ltd.
創業1911年(明治44年)2月11日
創立記念日5月27日(1926年に摂政宮が浜田町工場を訪問された日)
前身阪田製作所
創業者阪田久五郎
創業地広島県呉市稲荷町
本店所在地(現在)広島県呉市天応西条(広島工場)
主な事業万年筆をはじめとする筆記具の製造・販売

創業の背景 ―― 一人の青年が受けた「ときめき」

セーラーの物語は、1911年の創業よりも少し前、日露戦争が終わったばかりの日本から始まります。創業者となる阪田久五郎は、1883年(明治16年)に岡山県で生まれ、14歳のときに広島県呉市に出て、兄・斉次郎が営む金属文具工場を手伝い始めました。21歳のときには日露戦争に従軍し、戦功によって金鵄勲章を受章します。

久五郎の人生を決定づけたのは、その翌年、22歳のときに訪れた出来事でした。英国留学から帰ってきた友人が、土産として万年筆を見せてくれたのです。当時の日本にはまだほとんど流通していなかった舶来の筆記具を初めて手にした久五郎は、後年、次のように語っています。

「万年筆というものを生まれて初めて見た時の心のときめきは、言葉で言い表せないほどだった。」

この一本の万年筆との出会いが、久五郎の人生を万年筆づくりへと向かわせる原点になりました。当時の日本では万年筆はほぼ輸入品に頼るしかなく、国産で万年筆を作るという発想自体が未開拓の領域でした。久五郎は「これを自分の手で作ろう」と決意し、まだモーターもない工場で旋盤を手で回しながら試作を重ねる日々を送ります。そして1911年(明治44年)、28歳になった久五郎は、呉市稲荷町に阪田製作所を創業し、日本で初めて純国産の14金ペン先の製造に着手しました。これが、今日のセーラー万年筆の出発点です。

創業から6年後の1917年(大正6年)には呉市浜田町に工場を新設し、ペン先だけでなく万年筆の完成品製造にも乗り出します。そして1926年(大正15年)5月27日、当時の摂政宮(後の昭和天皇)が民間産業奨励のためにこの浜田町工場を訪問されるという出来事がありました。国産万年筆づくりに挑んでいた一介の町工場にとって、これは大きな栄誉でした。セーラーはこの日を創立記念日と定め、現在も5月27日を大切な節目としています。

久五郎は1961年、満79歳でこの世を去りますが、その半年前に寄せた創立50周年の寄稿文には、次のような言葉が残されています。

「日本の夜明け明治から、宇宙時代開幕の現代迄、私の人生八十年の中で、万年筆と共に歩んだ五十年、顧みて夢のような気がします。今や、日本は世界三大万年筆生産国(日、独、米)の一つとなり、セーラーは、お陰さまで日本の代表万年筆の一つになりました。」

小さな町工場で万年筆を信玄袋に入れて売り歩いていた青年が、日本を代表する万年筆メーカーの創業者としてこの言葉を残すまでの道のりには、想像を超える苦労があったはずです。戦時中には呉の工場と営業所を戦災で失い、終戦直後の食糧難の中、わずか150名の役員・従業員が、なけなしの材料とガタピシの機械で本業の再建に取り組んだという記録も残されています。それでも万年筆づくりを諦めずに続けてきたことが、今日まで続くセーラーの土台になっています。

「SAILOR」という名前に込めた願い

会社の前身である阪田製作所が、新しいブランド名として「セーラー」を選んだ理由には、二つの思いが込められています。一つは、創業の地である呉が軍港都市であったことに由来し、将来は自らが作った製品を船に乗せて世界へ輸出し、海外に覇を唱えたいという念願です。もう一つは、「一人の提督よりも多くの水兵(セーラー)が大切だ」という民主主義的な思想でした。艦隊を指揮する提督一人よりも、現場で船を動かす無数の水兵たちの存在こそが尊いという発想を、ブランドの精神に重ね合わせたのです。

この願いを形にするため、錨(いかり)に水兵がまたがっている図柄が商標として作られました。単に語感の良さで選ばれた社名ではなく、軍港の町で生まれ育った創業者の実感と、来るべき国際市場への野心が刻み込まれた名前だといえます。実際にセーラーはこの名前にふさわしく、後の時代に台湾やタイ、中国、欧州、米国へと事業を広げていくことになります。

セーラー万年筆の歴史(年表)

1911年の創業から現在まで、セーラーは万年筆というジャンルにおいて数々の「国産初」を打ち立ててきました。主な出来事を年表としてまとめます。

主な出来事
1911年(明治44年)2月阪田久五郎が広島県呉市稲荷町において、日本初の純国産14金ペン先の製造を始める。
1917年(大正6年)呉市浜田町に工場を新設し、万年筆の完成品製造を開始。
1926年(大正15年)5月27日摂政宮(後の昭和天皇)が浜田町工場を訪問。この日を創立記念日とする。
1932年(昭和7年)8月法人組織とし、社名を「株式会社セーラー万年筆阪田製作所」とする。
1939年(昭和14年)4月広島県安芸郡大屋村(現・呉市天応町)に天応工場を新設。
1945年(昭和20年)8月終戦にともない、呉の二工場と営業所を戦災で失う。呉市天応町にて再建に着手。
1948年(昭和23年)2月業界に先駆けて国産初のボールペン「セーラー・ボール・ポイント・ペン」を発売。都内百貨店で用意した500本が瞬く間に売り切れ、ブームの火付け役となる。
1949年(昭和24年)プラスチック射出成型で量産する日本最初の万年筆を発売(当時の価格で250円)。この年を境に、日本の万年筆は量産体制の時代に入る。
1954年(昭和29年)他社に先駆けてカートリッジ式万年筆を開発し、特許を取得。
1960年(昭和35年)5月社名を「セーラー万年筆株式会社」に変更(英訳名 The Sailor Pen Co., Ltd.)。
1963年(昭和38年)1月ミニ型万年筆を発売。
1973年(昭和48年)1月ふでペンを発売(当時の価格で100円)。翌年の年賀状シーズンには300万本を完売する大ヒットとなり、生産が追いつかずテレビCMを中止した地域もあったという。
1981年(昭和56年)万年筆「プロフィット」シリーズが誕生。以後、セーラーを代表する定番シリーズとして現在まで続く。
1990年(平成2年)12月創立80周年記念「プロフィット80」万年筆・ボールペンを発売。
2007年(平成19年)7月名窯とのコラボレーションによる磁器製万年筆「有田焼万年筆」を発売。翌2008年のG8北海道洞爺湖サミットでは、この有田焼万年筆が記念品として各国首脳に贈呈された。
2011年(平成23年)5月会社創立100周年。
2018年(平成30年)10月オリジナルペン先万年筆14種をモデルチェンジして販売再開。
2021年(令和3年)3月〜4月「天応工場」を「広島工場」に名称変更。同年4月、ものづくりの原点に立ち返るため、本店を創業の地である広島工場へ移転。
2023年(令和5年)5月G7広島サミットの記念品として、伝統漆芸を用いた「彩雅万年筆」を内閣総理大臣から各国首脳に贈呈。
2023年(令和5年)12月米国の高級筆記具専門誌『PEN WORLD』の読者投票で「最も書き心地の良い万年筆」を受賞し、21金・14金ペン先が6年連続で高評価を獲得。

こうして振り返ると、セーラーは常に「国産初」を切り拓きながら歩んできたことがわかります。国産初の14金ペン先、国産初のボールペン、国産初のプラスチック射出成型万年筆、国産初のカートリッジ万年筆。いずれも、当時の日本にはまだ存在しなかった技術や仕組みに、いち早く挑んできた結果です。この開拓者精神は、後述するペン先の職人技という形で、現在のセーラーにも色濃く受け継がれています。

世界へ、そして未来へ ―― 創業の地に戻るという選択

セーラーは創業以来、輸出を志す社名に込めた願いのとおり、海外市場にも事業を広げてきました。1973年には台湾に子会社を設立し、1996年にはタイのバンコクに現地法人を設立、2000年には英国ハーツに欧州拠点を構えるなど、時代に応じて海外展開の形を変えながら事業を続けています。

一方で興味深いのは、企業としての規模が拡大し、本社機能が東京へと移っていったにもかかわらず、2021年にあえて本店を創業の地である広島県呉市の広島工場へ移転したという判断です。多くの企業が都市部への集約を進める中、セーラーは逆に「ものづくりの原点に立ち返る」ことを選びました。この広島工場では現在も、万年筆づくりの心臓部であるペン先の製造や、後述する特殊ペン先の研磨が行われており、2022年には万年筆製造を目的とした新工場棟も竣工しています。国際的な評価を追い求める一方で、創業者・阪田久五郎が旋盤を手で回していた土地に軸足を戻す。この振れ幅の大きさこそが、セーラーという会社の歴史の厚みを物語っています。

セーラー万年筆の特徴

セーラーの万年筆には、次のような特徴があります。

セーラー最大の特徴は、ペン先の素材と研ぎ方の選択肢が圧倒的に豊富であることです。ペン先の素材には特殊ステンレスのほか、14金・18金・21金という三段階の金ペンが用意されており、金の含有率が高くなるほどペン先がしなやかになり、筆圧に応じた線幅の変化が出やすくなる傾向があります。21金ペン先を標準的に展開しているメーカーは決して多くなく、この点はセーラーを語る上で欠かせない要素です。

また、字幅についても、極細・細字・中細・中字・太字といった一般的な字幅に加えて、ズームやミュージックといった特殊な字幅までを標準で用意しており、用途に応じた選択肢の広さがあります。さらにセーラーには、他メーカーにはほとんど存在しない「スペシャルニブ」という独自のペン先加工技術群があり、これについては次の章で詳しく取り上げます。

価格帯についても、1,000円台の入門モデルから数十万円の特別仕様モデルまでを同じメーカーの中で比較検討できる点は、パイロットやプラチナといった他の国産メーカーと共通する強みです。加えて、多くのモデルがカートリッジとコンバーターの両方式に対応しているため、使い始めはカートリッジで手軽に、慣れてきたらコンバーターでボトルインクを、という段階的な使い方ができる点も安心材料の一つです。

なお、書き味の感じ方には個人差があるため、「セーラーが誰にとっても最高である」といった断定は避け、あくまで選択肢の広さと技術的な特徴という事実を中心にお伝えしています。

ペン先と職人技 ―― 「長刀研ぎ」という唯一無二の技術

セーラーの万年筆を語るうえで、最も重要なのがペン先の職人技です。セーラーは自社でペン先の製造から研磨までを一貫して手がける、数少ないメーカーの一つであり、用途に合わせた「スタンダードニブ」を7種類、そしてセーラー独自の「スペシャルニブ」を7種類展開しています。

スタンダードニブには、極細(EF)、細字(F)、中細(MF)、中字(M)、太字(B)という一般的な字幅に加え、筆記角度によって線の太さが変化する「ズーム」、楽譜書きにも適した「ミュージック」があります。初めて万年筆を使う方には、汎用性の高い中字(M)から試すことが多く選ばれています。

その上位に位置づけられるスペシャルニブの中でも、セーラーを象徴する存在が「長刀研ぎ(なぎなたとぎ)」です。この技法の起源は1911年の創業当時にまで遡ります。トメ・ハネ・ハライが多い日本語の漢字を美しく書くために、ペン先の先端に通常よりも大きなペンポイント(紙に当たる玉状の部分)を取り付け、武具の長刀(薙刀)の刃のような形状に研ぎ出したもので、ペンを寝かせると太い線が、立てると細い線が書けるという、一本で複数の表現ができる特殊な形状をしています。

この技術は戦後、万年筆の大量生産化と機械化が進む中で一度は姿を消してしまいますが、ペン職人の小山群一氏や長原宣義氏らによって継承され続けました。長原氏は「万年筆の神様」とも呼ばれた稀代の職人で、1991年頃、「斜めにしても書ける万年筆が欲しい」という顧客の声を受けて、創業当時の研ぎ方をさらに改良し、現代の長刀研ぎとして復活させました。

長刀研ぎの製造工程は、現在も職人の手作業に大きく依存しています。スタンダードな字幅は決まった大きさの溝に沿ってペンポイントを研ぐのに対し、長刀研ぎは通常よりも大きい1.5ミリ程度の玉から、中細・中字・太字という3つの字幅を、研ぎの深さと角度だけで一から作り分けていきます。型に頼らず職人が研ぎ出すため、同じ字幅であっても一本ごとに微妙な個性が生まれるといい、実際にペン先職人自身も「他の職人よりも丸みのある研ぎ方をしている」と評されることがあるそうです。長刀研ぎから派生した「長刀コンコルド」「長刀ふでDEまんねん」「長刀エンペラー」、さらにインクフローを補強する「クロスポイント」「クロスコンコルド」「クロスミュージック」など、セーラーのスペシャルニブは、いずれも一貫して「日本語の文字を美しく書く」という発想から生まれています。

こうした特殊ペン先は、現在も広島工場を中心に、少数の熟練職人によって手がけられています。工業製品としての精度を保ちながら、最後の仕上げを人の手に委ねるという姿勢は、セーラーが百年以上にわたって「ペン先のセーラー」と評されてきた理由そのものだといえます。

幅広い価格帯とシリーズ

セーラーの万年筆は、手に取りやすい入門価格帯から、金ペンを用いた本格モデル、そして特別な素材や技法を用いた高級モデルまで、幅広い価格帯で展開されています。

入門価格帯にあたるのは、1,000円台から購入できる「ハイエースネオ」シリーズです。ステンレス製のペン先を採用し、透明軸でインクの減り具合が見えるモデルなど、初めて万年筆に触れる方や、子ども向けの筆記具としても選ばれています。

日常使いの価格帯としては、1981年から続くセーラーの看板シリーズ「プロフィット」があり、その中でも比較的手頃な「プロフィット ライト」「プロフィット カジュアル」といったラインが、贈り物としても選びやすい価格で展開されています。

本格的な金ペン価格帯になると、「プロフィット スタンダード」「プロフィット21」、そしてより角ばったフォルムを持つ「プロフェッショナルギア」シリーズが並びます。21金の大型ペン先を採用した「キングオブペン」は、標準的なペン先の約1.5倍という圧倒的な存在感を持つ、セーラーのフラッグシップ的な位置づけのモデルです。近年では、インクの搭載量を拡大した尾栓回転吸入式のボディに大型18金ペン先を組み合わせた「プロフィット レアロ18」のような、吸入式の楽しさを味わえる新しいラインも登場しています。

さらに上位には、長刀研ぎをはじめとするスペシャルニブを搭載したモデルや、有田焼や漆芸といった伝統工芸とコラボレーションした限定モデルがあり、これらは工芸品としての価値も併せ持つ特別な一本になっています。

代表的なシリーズ

プロフィット(PROFIT)

1981年に誕生し、現在までセーラーを代表するシリーズとして続いています。丸みを帯びた柔和なフォルムは万年筆の王道デザインといえるもので、14金から21金まで幅広いペン先を選べます。日頃から万年筆を愛用している方にも、初めて使う方にもすすめられる、いわばセーラーの顔となるシリーズです。

プロフェッショナルギア(PRO GEAR)

プロフィットと同じペン先・価格帯を持ちながら、より角のあるシャープなフォルムを採用したシリーズです。ビジネスシーンで持つ道具としての存在感を求める方に選ばれています。

キングオブペン(KING OF PEN)

21金の超大型ペン先を採用した、セーラーの技術の集大成といえるフラッグシップモデルです。刻印された「SAILOR THE KING OF PEN 1911」の文字が、万年筆づくり百年以上の歴史と伝統を物語ります。

長刀研ぎ万年筆

創業当時から伝わる独自のペン先加工技術を用いたスペシャルニブモデルです。ペンを立てると細く、寝かせると太く書けるという特性を持ち、漢字を美しく書くために生まれた、他メーカーには存在しない書き味を体験できます。

ハイエースネオ(HI-ACE NEO)

1,000円台から購入できる入門用モデルです。ステンレスペン先を採用し、透明軸でインクの動きが見えるモデルもあり、初めての一本として、また子どもの筆記具としても親しまれています。

プロフィット レアロ18

大型の18金ペン先と、インク搭載量を拡大した尾栓回転吸入式のボディを組み合わせた比較的新しいモデルです。カートリッジ・コンバーター方式ではなく、ボトルインクを直接吸入する楽しさを味わえます。

初めての万年筆としてのセーラー

セーラーには、1,000円台のシンプルなモデルから、金ペンを使った本格的なモデル、そして職人が一本ずつ研ぎ上げるスペシャルニブのモデルまで、非常に幅広い選択肢があります。初めて万年筆を使う方が最初から高価格帯の商品を選ぶ必要はなく、まずは予算と普段書く文字の大きさ、インクの補充方法を確認したうえで、日常的に使いやすい一本を選ぶことが大切です。

セーラーは国内メーカーであるため、対応するカートリッジインキやコンバーターを国内で確認しやすいという点も、初めて万年筆に触れる方にとって安心できる要素です。まずはステンレスペン先のカートリッジ式モデルから始め、使い方に慣れてきたら金ペンのモデルやコンバーターでのボトルインクへ、という段階的な選び方もおすすめできます。ペン先の素材による書き味の違いを比較しながら選べるのは、幅広いペン先の選択肢を持つセーラーならではの楽しみ方だといえるでしょう。

セーラーの万年筆が向いている人

セーラーは、次のような方に検討しやすいメーカーです。

日本語の漢字や縦書きの文字を美しく書きたいと考える方には、長刀研ぎをはじめとするスペシャルニブが特に向いています。トメ・ハネ・ハライの表現を活かしたい方にとって、この独自の研ぎ技術は他メーカーでは得られない体験になります。

ペン先の素材や字幅にこだわって選びたい方にも、セーラーは適したメーカーです。14金・18金・21金という三段階の金ペンと、特殊ステンレス、さらに標準・特殊を合わせて十数種類にも及ぶ字幅の中から、自分の筆圧や書き癖にぴったり合う一本を探すことができます。

信頼できる国産メーカーから選びたい方、そして日本で最も古い万年筆メーカーの一つが持つ歴史的な背景に魅力を感じる方にも、セーラーはふさわしい選択肢です。一方で、書き味の感じ方には筆圧や手の大きさ、利き手による個人差があります。セーラーがすべての方にとって最適とは限らないため、他メーカーの商品とあわせて比較検討することをおすすめします。

セーラーを選ぶ前に確認したいこと

セーラーの万年筆といっても、商品によってペン先の種類、素材、軸の重さ、インクの補充方式は大きく異なります。購入前には、次の項目を確認しておくと選びやすくなります。

ペン先の字幅については、極細(EF)から太字(B)までの標準的なラインナップに加え、ズームやミュージックといった特殊字幅、さらに長刀研ぎなどのスペシャルニブが存在するため、まずは自分がどのような文字を書きたいのかを整理しておくことが重要です。ペン先の素材についても、特殊ステンレスと14金・18金・21金では書き味の印象が異なるため、可能であれば実際の試筆を行うことをおすすめします。

インクの補充方式については、カートリッジ・コンバーター両用式のモデルが中心ですが、プロフィット レアロ18のような尾栓回転吸入式のモデルも存在するため、購入前に対応方式を確認しておく必要があります。また、長刀研ぎなどのスペシャルニブを搭載したモデルは、一般的なモデルに比べて取り扱い店舗が限られる場合があるため、在庫状況や取り扱い店の有無も事前に確認しておくとよいでしょう。

まとめ ―― セーラーの歴史を知ったうえで一本を選ぶ

セーラーの歴史は、一人の青年が英国土産の万年筆に受けた「言葉で言い表せないほどのときめき」から始まりました。日本にはまだ万年筆づくりの技術が存在しなかった時代に、旋盤を手で回しながら国産の金ペン先を作り上げた阪田久五郎の挑戦が、百年以上にわたって受け継がれ、今日のセーラー万年筆という形になっています。

軍港都市・呉から世界へ製品を送り出したいという願いを込めた社名、戦災で工場を失ってもなお万年筆づくりを諦めなかった戦後の再建、そして創業当時から伝わる長刀研ぎという唯一無二のペン先技術。これらの物語を知ったうえでセーラーの万年筆を手に取ると、単なる筆記具としての価値だけでなく、そこに込められた職人の技と歴史の重みを感じ取ることができるはずです。初めて手に取りやすいモデルから、素材やペン先の研ぎ方にこだわった本格的なモデルまで、ご自身の用途や予算に合う一本をじっくりと探してみてください。

CURATED COLLECTION

当店で取り扱うセーラー万年筆の万年筆

歴史や背景を知った上で、ぜひ実際の商品をお手にとってご覧ください。

セーラー万年筆 ふでDEまんねん の商品写真
Sailor / セーラー万年筆

セーラー万年筆 ふでDEまんねん

「ふでDEまんねん」は筆の扱いが苦手な方でも、特殊なペン先によって簡単に筆文字が書ける万年筆です。<br>ペン先を立てると…

¥1,311(税込) 商品を見る
セーラー万年筆 レクル の商品写真
Sailor / セーラー万年筆

セーラー万年筆 レクル

カラーテーマ「高見えダークカラー」金属パーツのゴールドとブラックメッキが醸し出す高級感。カチッとしたダークカラーと合わ…

¥2,091(税込) 商品を見る
セーラー万年筆 長刀研ぎ ゴールドトリム ブラックGT 21K の商品写真
Sailor / セーラー万年筆

セーラー万年筆 長刀研ぎ ゴールドトリム ブラックGT 21K

卓越した書き味で万年筆の醍醐味を味わえる確かな手ごたえがあります。この誇れるペン先は、練達の職人だけが作ることができる…

¥114,950(税込) 商品を見る
セーラー万年筆 プロフェッショナルギア ゴールド ブラック 細字 の商品写真
Sailor / セーラー万年筆

セーラー万年筆 プロフェッショナルギア ゴールド ブラック 細字

プロフェッショナルギア金はやや小ぶりのボディに、存在感のあるフォルムが印象的なデザインの万年筆。ベースのカラーは艶のあ…

¥37,000(税込) 商品を見る
セーラー万年筆 プロフェッショナルギア シルバー ブラック 細字 の商品写真
Sailor / セーラー万年筆

セーラー万年筆 プロフェッショナルギア シルバー ブラック 細字

プロフェッショナルギア銀はやや小ぶりのボディに、存在感のあるフォルムが印象的なデザインの万年筆。ベースのカラーは艶のあ…

¥42,980(税込) 商品を見る
セーラー万年筆 プロフェッショナルギア シルバー ブラック 中字 の商品写真
Sailor / セーラー万年筆

セーラー万年筆 プロフェッショナルギア シルバー ブラック 中字

プロフェッショナルギア銀はやや小ぶりのボディに、存在感のあるフォルムが印象的なデザインの万年筆。ベースのカラーは艶のあ…

¥53,346(税込) 商品を見る

商品選びに迷った場合

セーラー万年筆の万年筆は、商品によって価格、ペン先、インクの補充方法が異なります。どの商品を選べばよいか迷った場合は、まず予算と普段書く文字の大きさから候補を絞ってみてください。

FINAL THOUGHTS

セーラー万年筆の歴史を知ったうえで一本を選ぶ

セーラーの歴史は、一人の青年が英国土産の万年筆に受けた「言葉で言い表せないほどのときめき」から始まりました。日本にはまだ万年筆づくりの技術が存在しなかった時代に、旋盤を手で回しながら国産の金ペン先を作り上げた阪田久五郎の挑戦が、百年以上にわたって受け継がれ、今日のセーラー万年筆という形になっています。

軍港都市・呉から世界へ製品を送り出したいという願いを込めた社名、戦災で工場を失ってもなお万年筆づくりを諦めなかった戦後の再建、そして創業当時から伝わる長刀研ぎという唯一無二のペン先技術。これらの物語を知ったうえでセーラーの万年筆を手に取ると、単なる筆記具としての価値だけでなく、そこに込められた職人の技と歴史の重みを感じ取ることができるはずです。初めて手に取りやすいモデルから、素材やペン先の研ぎ方にこだわった本格的なモデルまで、ご自身の用途や予算に合う一本をじっくりと探してみてください。

参考資料(一次情報)

  • セーラー万年筆株式会社「セーラー万年筆の歴史」「創業者・阪田久五郎について」「セーラー万年筆のあゆみ」(sailor.co.jp)
  • セーラー万年筆株式会社「唯一無二のペン先『長刀研ぎ』とは」(ペン先職人インタビュー)
  • セーラー万年筆株式会社「ペン先の種類と特長」
  • セーラー万年筆株式会社「沿革」(会社概要ページ)
  • セーラーショップ「セーラー万年筆の歴史-5月27日はセーラー万年筆の創立記念日」(sailorshop.jp)
SHOPPING ASSURANCE

安心してお買い物いただくために

配送・送料

送料と商品のお届けについて確認する

確認する

お支払い方法

利用できる決済方法を確認する

確認する

返品・交換

返品・交換の条件を確認する

確認する

お問い合わせ

商品について問い合わせる

問い合わせる